症例3 審美性と機能性を考慮した咬合再構成 3年5ヶ月後

術前 義歯装着時

術前

術後2ヶ月

2011年10月28日初診、60代女性。左下奥歯のクラウンがはずれた、欠損部にインプラントをしたいという主訴でした。すべての歯に修復が行われていました。前歯は咬み合わせが当たっていませんでした。歯肉炎の症状があり、歯肉が赤く腫れていました。左上456欠損部はノンクラスプデンチャー(バネの見えない取り外しの義歯)が装着されていました。

 

下の写真は2014年10月27日の写真です。治療後3ヶ月の状態です。左上456、左下7、右下67にインプラント、その他全部の歯にクラウンによる補綴治療をおこないました。前歯の咬み合わせがもきちんと当たっています。歯肉の炎症も消退しました。審美性も機能性も達成されました。

 

2011年10月28日のデンタル10枚法。レントゲンを見ると、左下7は部分的に歯周病が進行しており、良い条件で長期的には残りそうもないので、保存(歯を治療して残すこと)を断念しました。左上456、左下7、右下67にインプラントによる補綴治療(ほてつちりょう・・・歯にクラウンやブリッジや義歯を入れる治療)、その他全部の歯にクラウンによる補綴治療を行うこととしました。ただし、インプラントをおこなう左上45部にはGBR(骨誘導再生・・・手術で骨を作ること)が、左上6には上顎洞底挙上術(ソケットリフト・・・上顎の奥歯には上顎洞という空洞が存在します、インプラントを行う際に骨が十分でない場合に上顎洞底部に骨を造成する手術)が必要です。

 

クラウンもインプラントもフィットは良好です。元から神経のあった歯は神経のある状態で補綴治療をおこないました。これらのことが歯の機能性と審美性を長期的に維持させる重要なポイントとなります。これこそが歯科治療の基本となるものです。

 

右側方観術前

右側方観術後

左側方観術前

左側方観術後

 

左上456部はインプラントを行いますが、歯槽堤の厚みも高さも十分ではありませんでした。十分注意して治療したとしても、機能性と審美性を与えることは簡単ではありません。

術後、非常に良好な咬み合わせとなりました。左上456部は、歯槽堤の厚みも高さも十分ではありませんでしたが、GBRと上顎洞底挙上術をおこなったので、機能的で審美的なものとなりました。

 

2017年12月8日の写真です。治療後3年5ヶ月の状態です。歯肉がクリーピング(歯肉がクラウンに寄り添って這い上がるように移動する現象)して上左右11間のエンブレージャー(歯間鼓形空隙・・・歯肉付近の歯と歯の間にある空隙、正常な歯肉にはわずかに存在する空隙であるが、あまり大きいと食べかすがつまったり、審美的にも問題となる)が小さくなっていることがお分かりになると思います。

下前歯321123の模型です。歯肉と調和した自然観のある審美歯科治療をおこない、長期的に維持するためには、歯肉を傷つけないようにしながら、歯肉縁下(歯肉の縁よりも下の部分)まで歯を削り、型を採らなければなりません。そのためには、歯肉圧排(歯肉と歯の境目をだすために、その隙間に糸を入れて一時的に歯肉を広げること)がおこなわれます。また、印象材(型を採るための材料)は現在最も精度が高いといわれるシリコン系を使用しますが、これは非常に神経質な材料であり、血液や水分を全く受けつけず、それらを確実に排除することができなければその性能を発揮できません。我々歯科医師にとって、歯肉縁下の支台歯形成(クラウンを入れるために歯を削ること、海外ではpreparation-準備といわれ、クラウンを入れる準備をすることとされている)と印象採得(型を採ること)を精密におこなうことは、非常に難しいといわれています。特に下顎の前歯は小さくて歯肉も薄いので、最も難しい部位です。

 

この症例は自由診療によるものですが、当医院では保険診療もおこなっております、どうぞお気軽にお声掛けください。尚、全ての症例が同じような結果になるとは限りません。治療前の病状によって術後結果も変わりますので、何か気になる点がありましたらご相談ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

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