症例6 重度歯周病に対する歯周補綴2 6年3ヶ月後

術前

術後

2006年3月6日初診、50代女性。お子様からのご紹介で来院されました。歯並びをよくしたいという主訴でした。しかしながら、初診時はかなり歯周病が進行している状態で、まずそちらから治療しなければなりませんでした。写真を見ると、全体的に歯肉が赤く腫れており、触るとすぐに出血する状態であろうことがお分かりになると思います。

下は、2011年10月5日、治療後21日の写真です。患者様のお仕事の都合で秋から春先までは来院できず、相当な治療期間を要しました。非常にきれいな歯並びと美しい歯肉となりました。補綴治療(ほてつちりょう・・・歯にクラウンやブリッジや義歯を入れる治療)としては、右上65、右下6にインプラント、右上4321、左上12356、右下57、左下56はセラミッククラウンを用いて歯周補綴(支台歯の支持骨の吸収が大きく、動揺度が増加し、クラウンにより連結しなければ、正常な咀嚼機能が営めない状態に対して、歯周環境の整備、安定した咬合、咀嚼機能の回復を図る総合的治療のこと)をおこないました。

 

術前・術後側方観

治療前と治療後の左右側方観です。歯周病の治療、矯正治療の後に歯周補綴(支台歯の支持骨の吸収が大きく、動揺度が増加し、クラウンにより連結しなければ、正常な咀嚼機能が営めない状態に対して、歯周環境の整備、安定した咬合、咀嚼機能の回復を図る総合的治療のこと)をおこないました。治療前は歯がほとんど咬んでいませんが、治療後は咬み合わせも良好となりました。歯周病の治療としては、まずブラッシング指導をさせていただき、プラークコントロールの習慣を身につけ、ご自身でないと取ることのできないプラークを歯ブラシで落としていただかなければなりません。歯ブラシでは落とすことのできない歯肉の上の歯石や歯肉の中についた汚れは、歯科医院で我々が取っていきます。

 

術前・術後レントゲン

 

上は術前のデンタル10枚法、2006年3月6日のレントゲンを示します。それを診ると、全体的に重度歯周病でした。特に、右上23467、左上3678は垂直性骨欠損(歯の根に沿って垂直的に骨が失われること)をおこしていました。右上67と左上67は根分岐部病変上下大臼歯は、2~3本の根をもっているが、歯周病が進行して歯槽骨が根の分かれ目まで吸収し、組織破壊が達した状態)があり、深い歯周ポケット(歯と歯茎の間にある隙間で1~3mmが正常範囲で、その歯周ポケットには、食事をした際の食べカスや歯周病などの原因になる細菌が入ってしまうことがあり、あまり深くなると抜歯になることがある)を伴い、保存できるか否か分からない状態でした。

下は2011年9月14日のデンタル10枚法を示します。右上4、左上4、左下4、右下4は矯正で歯を並べるスペースを確保するために、便宜的に抜歯しました。右上67、左上78、右下6は歯周病が進行していたために抜歯となりました。再生療法により、右上3、左上36、左下6、右下3の歯槽骨再生が著しいことが確認できます。(黄色⚪︎で示す部分)右上56に対しては、ソケットリフト(上顎の奥歯には上顎洞という空洞が存在します、インプラントを行う際に骨が十分でない場合に上顎洞底部に骨を造成する手術で、歯の生えていた部分からアプローチするもの)にて、上顎洞底挙上術をおこない、インプラントを埋入しました。

 

補綴治療(ほてつちりょう・・・歯にクラウンやブリッジや義歯を入れる治療)に入る前に、審美歯科と歯周病の治療のために矯正をおこないました。(歯周病治療の一環として矯正治療により、歯槽骨の位置を整えることにより、垂直性骨欠損を治すことができる場合があります)矯正治療により、歯の位置はもちろん、歯肉の連続性も整ったことがお分りいただけると思います。これで、審美歯科治療をおこなう環境ができました。

 

審美性、機能性、そしてそれらが長期的に安定するような補綴治療のためには、クラウンフィットが要であり、精密な模型が必要となります。上の模型のように支台歯と歯肉の境がはっきり再現されていなければマージン(クラウンと歯の境目)部のフィットは望めません。支台歯と歯肉の境をはっきりだすために、下の写真のように歯肉圧排(歯肉と歯の境目をだすために、その隙間に糸を入れて一時的に歯肉を広げること)がおこなわれます。その結果これらのような模型が得られるわけです。この型を採る治療は日常的におこなわれていますが、歯科治療のなかでも、最も難しい治療のひとつに数えられます。

 

2017年12月6日の写真です。治療後6年3ヶ月の状態です。マージン(クラウンと歯の境目)も露出することなく、現在良好に経過しています。治療直後の写真と比べると、右上1と左上1の間のエンブレージャー(歯間鼓形空隙・・・歯肉付近の歯と歯の間にある空隙。正常な歯肉にはわずかに存在する空隙であるが、あまり大きいと食べかすがつまったり、審美的にも問題となる)が小さくなっていることが確認できます。これはクリーピング(歯肉がクラウンに寄り添って這い上がるように移動する現象)の結果です。

 

この症例は自由診療によるものですが、当医院では保険診療もおこなっております、どうぞお気軽にお声掛けください。尚、全ての症例が同じような結果になるとは限りません。治療前の病状によって術後結果も変わりますので、何か気になる点がありましたらご相談ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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