症例13 重度歯周病に対する歯周補綴、下顎クラウン治療における審美歯科 10年1ヶ月後

1は2004年12月9日初診、2は2007年11月2日、3は2017年12月16日、治療後10年1ヶ月の写真です。元々下の前歯2本はありませんでした。その欠損部にはオベイトポンティック(ブリッジの欠損部分を補うための人工歯の基底面形態の一種であり、基底面が卵型(=ovate) を呈するものをさす。これをあらかじめ凹面に形成した顎堤粘膜に密着させることにより、 あたかも天然歯が萌出しているかのような歯頚部形態、および生理的に適度な圧迫による歯間乳頭・鼓形空隙の再生が得られる)を用いて、審美歯科治療をおこないました。

歯周病で全体的に赤く腫れていた歯肉はピンク色になりました。治療後10年1ヶ月経っても、クラウンの周りの歯肉が赤く腫れたり、ブラックマージン(クラウンと歯肉の間に黒い線が出てしまったり、歯肉が 黒っぽく変色すること)も生じていません。上は入れ歯ですが、入れ歯と分からないくらいきれいです。

4、2004年12月9日初診、40代女性。歯周病の治療をしたいという主訴でした。初診時はかなり歯周病が進行している状態でした。写真を見ると、全体的に歯肉が赤く腫れており、触るとすぐに出血する状態であろうことがお分かりになると思います。この症例は治療後10年1ヶ月が経過しました。上顎は磁石を使った義歯としましたので、今回は下顎の歯に焦点を当てて、10年1ヶ月の経過を見ていただきたいと思います。

5、6、7、8、9、10

5、7、9は2004年12月9日の写真、6、8、102017年12月16日の写真です。治療開始から13年後、治療終了から10年1ヶ月の写真です。13年前にはまさかこのような歯であったことは想像できないと思います。右下1、左下1は欠損部をオベイトポンティックにて補綴しています。歯肉のスキャロップ(貝殻のような形をした歯肉の高低差)が付与されて、きれいで、メンテナンスしやすい口腔が確立され、維持されています。術直後に歯肉のクリーピング(歯肉がクラウンに寄り添って這い上がるように移動する現象)が起こりますが、10年1ヶ月後も維持されています。きちんと治療して、メンテナンスをおこなえば、このような経過も夢ではありません。

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いつもお見せする模型です。下関おおむら歯科では、このような精密な模型が必須です。治療終了から10年1ヶ月経ても、何事もおこらず、歯肉もきれいな理由は、クラウンのフィットがとても重要だということの証です。また、これらの型も歯肉がクリーピングする条件のひとつです。このようにして、審美歯科治療は成り立っているのです。

この症例は自由診療によるものですが、当医院では保険診療もおこなっております、どうぞお気軽にお声掛けください。尚、全ての症例が同じような結果になるとは限りません。治療前の病状によって術後結果も変わりますので、何か気になる点がありましたらご相談ください。

ps)最近、歯科医師の先生方から、クリーピングの条件について教えて欲しいというご要望が多数あります。近い内に、本ブログにもアップするつもりでおりますが、2018年2月25日に開催される「北九州歯学研究会第42回発表会」での講演で歯肉のクリーピングにも触れるつもりです。ご興味がある先生方は、博多駅のJR九州ホールにお越しください。

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