症例15 インプラントとセラミックを用いた臼歯部審美歯科治療2 5年10ヶ月後

1、2、3

1は2010年5月21日初診時の写真、40代女性でした。知人からのご紹介で来院されました。インプラントとセラミックを用いて全顎的な治療をしたいという主訴でした。右上45にクラウンが装着されていました。右下6は欠損、右下45は虫歯が深く、神経を取らなければならないような状態でした。

2は2012年10月26日、右上45クラウンを装着した日の写真です。右下6はインプラント、右上45、右下45はジルコニアベースのセラミッククラウンです。咬み合せもきちんと整い、審美性も獲得されました。

3は2017年12月20日、右下45装着から5年10ヶ月後です。右上6の天然歯の歯肉近くの充填物は若干欠けていますが、クラウンやインプラントは、周囲の歯肉の退縮もなく、非常に安定しています。

 

4、5

4は2010年8月11日、右下6にインプラントを埋入する前の写真と、5は2011年1月22日インプラント装着直後の写真です。患者様に見ていただきたいのは、この部位で2回の手術をおこないましたが、前後の天然歯の歯肉の位置が全くといっていいほど、変化していないことです。インプラントをするために、前後の歯が犠牲になるのでは、意味がありません。右下456の歯肉のスキャロップ(貝殻のような形をした歯肉の高低差)も一定の高さで連続性があります。エンブレージャー(歯間鼓形空隙・・・歯肉付近の歯と歯の間にある空隙。正常な歯肉にはわずかに存在する空隙であるが、あまり大きいと食べかすがつまったり、審美的にも問題となる)も適切な大きさと形が付与されています。この患者様もセルフメンテナンスは歯ブラシだけでおこなっています。このような配慮があるからこそ、審美性、機能性、清掃性などが長期的に維持される可能性が高くなるわけです。

 

6、7

6は2012年2月7日、右下45にジルコニアベースのポーセレンセラミッククラウンを装着した直後の写真です。3の写真と比べて、エンブレージャーがまだ開いていることがお分かりいただけると思います。3の写真のエンブレージャーが狭くなっているのは、歯肉のクリーピング(歯肉がクラウンに寄り添って這い上がるように移動する現象)の結果です。歯肉がクリーピングすると、マージン(クラウンと歯の境目)が露出してブラックマージン(クラウンと歯肉の間に黒い線が出てしまったり、歯肉が 黒っぽく変色すること)になったり、歯肉が炎症を起こして赤く腫れたりすることを予防できます。クラウンの治療において、エマージェンスプロファイル(歯肉を貫通するところの歯あるいはクラウンの形態)を的確に与えると、このように歯肉がクリーピングして安定する可能性がとても高くなります。

7は右下45の模型です。今まで何度も述べてきたように、細部まで再現された模型がなければ、審美歯科は成り立ちません。本ブログでは、そのことを証明するために、呈示した全ての症例の模型を見ていただきたいと考えています。

8、9

8は2012年10月26日、右上45にジルコニアベースのポーセレンセラミッククラウンを装着した直後の写真です。3の写真は、ほとんど何も変化せず、非常に安定しています。

9は右上45の模型です。シャープで明瞭なフィニッシュライン(支台歯の歯科医師が削った部分と削っていない部分の境界線、ここがクラウンと歯の境目・・・マージンとなる)が確認できます。

 

この症例は自由診療によるものですが、当医院では保険診療もおこなっております、どうぞお気軽にお声掛けください。尚、全ての症例が同じような結果になるとは限りません。治療前の病状によって術後結果も変わりますので、何か気になる点がありましたらご相談ください。

 

 

 

 

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