症例18 重度歯周病に対する歯周補綴 1年5ヶ月後

1、2

1は2014年10月7日初診時の写真、50代の女性です。一昨日から右下奥歯が冷みて咬むと痛い、という主訴でした。全顎的に歯周病(歯槽膿漏)がかなり進行していました。残っている歯は、右上6531、左上13、右下874321、左下123456、合計18本でした。

2は、2016年11月22日、治療後5ヶ月の写真です。上顎は右上6531と左上3に磁石を使用した義歯、下顎は歯列矯正をおこなった後に、右下56はインプラント、右下4セラミッククラウンにより補綴治療(ほてつ治療ちりょう・・・歯にクラウンやブリッジや義歯を入れる治療)を行いました。このような治療を歯周補綴(支台歯の支持骨の吸収が大きく、動揺度が増加し、クラウンにより連結しなければ、正常な咀嚼機能が営めない状態に対して、歯周環境の整備、安定した咬合、咀嚼機能の回復を図る総合的治療のこと)といいます。歯肉の位置も整い、義歯、インプラント、セラミッククラウンによる審美歯科治療が達成されました。

3は2015年11月20日の写真です。歯周病の治療と並行して下顎の矯正治療をおこないました。この時点で、右下56のインプラントの治療は2次オペ(インプラントに土台を立てて粘膜から貫通させる手術)まで終わり、インプラントに仮歯をつけて矯正治療をおこなっています。上顎は右上6531と左上3に磁石をつけるための装置を接着しています。

4

4は2016年3月15日の写真です。矯正治療が終了しました。矯正治療の期間は4ヶ月でした。

5、6

5は矯正治療前、6は全体の治療が終わった後の写真です。歯周病も安定して、非常に美しい歯並びとなりました。これで歯磨きもしやすくなりました。このような状態になれば歯ブラシだけでメンテナンスができます。歯間ブラシを使用している患者様がいらっしゃいますが、下関おおむら歯科では、治療によって歯肉のスキャロップ(貝殻のような形をした歯肉の高低差)を作り、歯ブラシだけでメンテナンスができる治療を目指しています。歯間ブラシを使用すると、歯と歯の隙間が広がり食べかすがつまったり、会話中に空気がもれて発音に影響したりします。歯周ポケット(歯と歯肉の間にある溝で4mm以上ある病的な溝を指す)は減少するかもしれませんが、無理におこなうと歯槽骨まで痩せてしまいます。デンタルフロスも上手に使わなければ、同様のことが起こりますので、注意が必要です。なにより、歯ブラシだけでメンテナンスできるような治療が患者様の負担も少なく、専門的なブラッシング指導を受ければ、歯肉を痛める心配もありませんので、お勧めします。

7、は磁石がつく金属を貴金属(白金加金)と一緒に鋳込んで作ったアタッチメントを右上の6531、左上3に装着したものです。

8、9

8、9はアタッチメントを作製するための模型です。8は右上3、9は左上3です。この型採りは、マージン(クラウンと歯の境目)とともに、維持となる中心部のポストも精密に採らなければならないので、普通のクラウンの型採りよりもさらに高度な手技が要求されます。支台歯(しだいし)(歯のない部分にブリッジや入れ歯を入れる際、支えとなる歯のことにアタッチメントが精密に適合しなければ、すぐに虫歯になったり、脱離する原因となりますので、このような精密な模型が必要となるわけです。

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10、上顎の義歯です。違和感がないように口蓋部(口の中の上側の部分)は抜いています。磁石を使用している義歯だからこそ可能な設計です。金属部分には生体親和性の良いチタン床を使用しています。チタンなので軽くて丈夫なことも利点になります。装着感は総義歯と比べて、かなり良い具合です。人工歯の咬む面には、貴金属(白金加金)を使うことにより、長持ちして咬みごたえが良いようにしています。

11

11は2017年11月28日、治療終了から1年5ヶ月後の写真です。ブラッシングもしっかりできて、歯周ポケットも正常となっています。

この症例は自由診療によるものですが、当医院では保険診療もおこなっております、どうぞお気軽にお声掛けください。尚、全ての症例が同じような結果になるとは限りません。治療前の病状によって術後結果も変わりますので、何か気になる点がありましたらご相談ください。

 

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