症例19 インプラント周囲の角化粘膜(固い歯茎)獲得の必要性について

1、2

2013年10月31日初診、40代女性でした。他歯科医院からのご紹介で来院されました。右下に歯がないので、インプラントをしたいという主訴でした。1は2014年1月14日、インプラント1次オペ(インプラントを植える手術、インプラントを植えたあとは、歯肉を元にもどして、インプラントが骨と接合するのを3~6ヶ月待つ)の直前の写真です。

2は、2014年10月10日、インプラントにクラウンを装着して12日目の写真です。インプラント周囲に付着歯肉(歯と歯槽骨に付着している部分の硬くて厚い歯茎のこと。頬や唇をひっぱっても動かない可動性のない部分。抵抗力がありブラッシングや細菌などの外部からの刺激に耐えられる。抵抗がなく、可動性がある薄く柔らかい部分の歯茎は歯槽粘膜という)が作られ、歯肉のスキャロップ(貝殻のような形をした歯肉の高低差)もできました。

インプラント周囲の粘膜(歯茎)は、できるだけ付着歯肉が望ましいです。そのために、インプラント2次オペ(インプラントに土台を立てて粘膜から貫通させる手術)の手術の際に、同時に固い歯茎を作る手術がおこなわれます。色々な術式がありますが、今後すこしずつ紹介していきます。

非常に審美的で、歯ブラシもしやすく、機能的なインプラント治療がおこなわれました。

2回法と呼ばれるインプラントは、インプラント1次オペとインプラント2次オペ(インプラントに土台を立てて粘膜から貫通させる手術)の2回手術をおこないます。1回法のインプラントと比較して、審美性や清掃性を得やすいことが最大の利点となります。

3の写真は2014年4月22日の写真です。この時には、3ヶ月前にインプラントを植える手術は終わっており、インプラント2次オペ直前の右下56部の写真です。1の写真と比べても、右下3、4の歯肉の位置や形がほとんど変化していないことにご注目ください。インプラント治療のために、周囲の天然歯が犠牲になっては何にもなりません。

以下にオペ中の写真があります。閲覧される場合にはポップアップ表示をされてください。

4は2014年4月22日、インプラント2次オペ直後の写真です。インプラント周囲に付着歯肉をつくるための術式は様々あります。歯科医師が考えなければならないことは、固い歯肉を作ると同時に、歯肉がスキャロップを描くような術式を選択して、確実な手技でおこなうことです。遊離歯肉移植術(上顎から固い粘膜を採取して移植する手術)は周囲に固い歯肉が全く無い場合におこなわれます。遊離歯肉移植術は比較的簡単な術式ですが、他部位からの歯肉を移植することになりますので、術後の歯肉の色や性状が変わり、審美的に問題となることがあります。今回は、周囲にある程度の固い歯肉がありましたので、下関おおむら歯科医院院長の大村が考案した「有茎連続短冊状弁移動術」を用いて、付着歯肉と同時に歯肉のスキャロップを得られる術式でインプラント2次オペをおこないました。この術式は歯肉弁の取り扱いが非常に複雑で難しい手術となりますが、術後に非常に美しい付着歯肉と歯肉のスキャロップを得られることが最大の利点となります。

5は2014年9月29日、インプラントにセラミッククラウンを被せる直前の写真です。インプラントアバットメント(インプラントにネジでとめる土台)の周囲にきれいな付着歯肉が作られていることがお分りいただけるものと思います。歯肉に炎症もなく、形もシャープなスキャロップを描いています。

6は2017年12月1日、インプラント治療終了から3年2ヶ月後の写真です。インプラント周囲の歯肉はほとんど変化することなく、きれいな状態で機能しています。メンテナンスも歯ブラシだけでおこなわれています。

この症例は自由診療によるものですが、当医院では保険診療もおこなっております、どうぞお気軽にお声掛けください。尚、全ての症例が同じような結果になるとは限りません。治療前の病状によって術後結果も変わりますので、何か気になる点がありましたらご相談ください。

 

 

 

 

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