症例38 インプラントブリッジとオベイトポンティック

1、2

1の写真は、2016年5月10日初診、70代男性。左下は34567に歯がない状況でしたので、インプラントによる治療を希望されました。上顎は総義歯による治療となりましたので、左下は③4⑤6⑦のインプラントブリッジで治療することになりました。

2は2017年8月9日、治療終了後2週間の写真です。左下③4⑤6⑦インプラントによるブリッジにより補綴しました。左下46に対しては、オベイトポンティック(ブリッジの欠損部分を補うための人工歯の基底面形態の一種であり、基底面が卵型(=ovate) を呈するものをさす。これをあらかじめ凹面に形成した顎堤粘膜に密着させることにより、 あたかも天然歯が萌出しているかのような歯頚部形態、および生理的に適度な圧迫による歯間乳頭・鼓形空隙の再生が得られる)としたので、あたかも歯がはえているように見えると思います。オベイトポンティックは審美性ばかりではなく、発音などの機能性、歯ブラシのしやすさなど清掃性にも優れています。歯肉のスキャロップ(貝殻のような形をした歯肉の高低差)も綺麗に形作られています。

以下にオペ中の写真があります。閲覧される場合にはポップアップ表示をされてください。

3、左下357にインプラント1次オペ(インプラントを植える手術、インプラントを植えたあとは、歯肉を元にもどして、インプラントが骨と接合するのを3~6ヶ月待つ)をした時の写真です。インプラントが支えるセラミッククラウンが綺麗に作られるように、3本のインプラントを、均等な配列で埋入することが重要です。

4、インプラント2次オペ(インプラントに土台を立てて粘膜から貫通させる手術)の際には、歯肉弁根尖側移動術(しにくべんこんせんそくいどうじゅつ・・・歯周外科処置のうちの一つ。付着歯肉が狭い場合、または深い歯周ポケットがあり歯肉歯槽粘膜境を超えている場合に、付着歯肉を根の方向に移動することにより、付着歯肉の増加およびポケットの除去を目的としておこなわれる)を用いて、付着歯肉(歯と歯槽骨に付着している部分の硬くて厚い歯茎のこと。頬や唇をひっぱっても動かない可動性のない部分。抵抗力がありブラッシングや細菌などの外部からの刺激に耐えられる。抵抗がなく、可動性がある薄く柔らかい部分の歯茎は歯槽粘膜という)の幅を増やしました。

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5、インプラントの印象採得(型を採ること)をおこない、アバットメント(インプラントにネジでとめる土台)を作製しました。オベイトポンティックの形は、印象採得に先立ち、前もって歯肉に形づけておきます。同時に、歯肉の形態が分かるように、インプラント周囲の歯肉の模型(ピンク色の部分)も作製します。

6、アバットメントとオベイトポンティックの形に合わせて、セラミッククラウンを作製しました。セラミックは、微妙な色や透明感が出しやすい材料なので、審美補綴には最適な材料です。プラークや汚れも着きにくく、たとえ着いてもブラッシングで落としやすいので、清潔な材料です。

7、口腔内にアバットメントを装着した状態です。インプラント2次オペの際に、歯肉弁根尖側移動術を用いたので、アバットメントの周囲に十分な付着歯肉ができています。

8、インプラントのセラミッククラウンを装着する前に、歯肉からほんのわずかに浮かせた状態で写真を撮りました。歯肉のスキャロップ(貝殻のような形をした歯肉の高低差)がクラウンの形態に沿っていることが分かると思います。これは偶然できたものではなく、インプラントを埋入する前から、歯肉のスキャロップを作るための治療が計画されていた結果です。

この症例は自由診療によるものですが、当医院では保険診療もおこなっております、どうぞお気軽にお声掛けください。尚、全ての症例が同じような結果になるとは限りません。治療前の病状によって術後結果も変わりますので、何か気になる点がありましたらご相談ください。

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