症例14 前歯部インプラントによる審美歯科治療 7年6ヶ月

1、2、3

1、2の写真は、2009年4月23日初診、60代男性。自転車に乗車中転倒、上顎を強打して前歯が折れたという主訴でした。③2①1②③のブリッジが装着してありましたが、右上1と左上2は歯根が完全に割れており、抜歯しなければならない状態でした。左上3は歯根が部分的に割れていましたが、何とか抜歯せずに保存できそうでした。

3は、2010年7月27日、上顎3〜3のクラウンを装着した当日の写真です。インプラントによる②①1②のブリッジ、左上1はオベイトポンティック(ブリッジの欠損部分を補うための人工歯の基底面形態の一種であり、基底面が卵型(=ovate) を呈するものをさす。これをあらかじめ凹面に形成した顎堤粘膜に密着させることにより、 あたかも天然歯が萌出しているかのような歯頚部形態、および生理的に適度な圧迫による歯間乳頭・鼓形空隙の再生が得られる)右上3と左上3はセラミッククラウンを被せる治療をおこないました。前歯部インプラントは、ほんのわずかなミスでも歯が長くなり、隣の歯の歯肉に段差ができやすく、審美的な治療が難しいことがおおきな欠点のひとつです。しかしながら、歯肉の位置や歯肉のスキャロップ(貝殻のような形をした歯肉の高低差)も整い、審美歯科治療がおこなわれました。

4、5

4はインプラント手術直前の右上1と左上2です。歯根が割れていることが分かります。こうなると抜歯せざるをえません。5はインプラント手術直後の写真です。前歯は審美性がとても大事です。出来るだけ、歯槽骨と歯肉を温存できるように、抜歯と同時に、歯肉を開かずにインプラントの手術をおこないました。これを抜歯即時埋入といいます。この方法は歯肉や歯槽骨歯槽骨の形態を維持しやすいという利点がありますが、全ての人に適用できる手術ではありません。

以下にオペ中の写真があります。閲覧される場合にはポップアップ表示をされてください。

6、7


6、右上2はもともと歯がなかったので、インプラントをおこないました。特に前歯部は歯を失うと、同時に唇側の骨がやせてくることがほとんどです。そのため、インプラントをおこなおうとした時には、インプラントを植立するだけの十分な骨がないことがよくあります。この写真でも骨がやせて、インプラントが骨から透けて見えます。このままでは、インプラントが長期的に安定する可能性が低くなります。そのような時には、7のようにGBR(骨誘導再生・・・手術で骨を作ること)という手術がおこなわれます。この後、歯肉を完全に閉じて、インプラントが骨につき、GBRで作った骨が安定するのを6ヶ月ほど待ちます。

以下にオペ中の写真があります。閲覧される場合にはポップアップ表示をされてください。

8、6ヶ月後に歯肉をもう一度、わずかに開き、インプラント2次オペ(インプラントに仮の土台を立てる手術)をおこないます。この症例では、インプラントの周囲の歯肉が厚みを増して、見た目がよくなるように、同時に、上顎の舌側から結合組織(歯茎の中の肉)を採取して移植しました。(これを結合組織移植といいます)

9、治療後のレントゲンです。3本のインプラントはほぼ平行に植立されています。また、骨に十分に包まれています。

10、

10、2018年1月23日の写真です。治療後7年6ヶ月が経過しました。ほとんど何も変化がなく、機能性と審美性が維持されています。

 

この症例は自由診療によるものですが、当医院では保険診療もおこなっております、どうぞお気軽にお声掛けください。尚、全ての症例が同じような結果になるとは限りません。治療前の病状によって術後結果も変わりますので、何か気になる点がありましたらご相談ください。

 

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