症例26 インプラント周囲の角化粘膜の獲得について

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1の写真は2016年11月16日、70代男性の右下67にインプラントをおこなう直前の写真です。

2は、2017年8月9日、治療終了後の写真です。右下45もセラミッククラウンにより補綴治療(ほてつちりょう・・・歯にクラウンやブリッジや義歯を入れる治療)をおこないました。右下67インプラントの周りにピンク色の硬い歯肉がついているのがお分かりいただけると思います。これが遊離歯肉移植術(上顎から固い粘膜を採取して移植する手術)により作られた歯肉です。非常にきれいで、歯ブラシもしやすく、機能的なセラミッククラウンとインプラントによる治療がおこなわれました。

以下にオペ中の写真があります。閲覧される場合にはポップアップ表示をされてください。

3、2016年11月16日に右下67にインプラント1次オペ(インプラントを植える手術、インプラントを植えたあとは、歯肉を元にもどして、インプラントが骨と接合するのを3~6ヶ月待つ)をおこないました。

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4、2017年3月14日に右下67にインプラント2次オペ(インプラントに土台を立てて粘膜から貫通させる手術)をおこなう直前の写真です。

5、右下67部には付着歯肉(歯槽骨に付着している部分の硬くて厚い歯茎のこと。頬や唇をひっぱっても動かない可動性のない部分で抵抗力がありブラッシングや細菌などの外部からの刺激に耐えられる。抵抗がなく、可動性がある薄く柔らかい部分の歯茎は歯槽粘膜という)がないので、インプラント2次オペと同時に遊離歯肉移植術(上顎から固い粘膜を採取して移植する手術)をおこないました。右下5の周囲にも付着歯肉がなかったので、その部も同時に移植しました。付着歯肉を作るためには、多くの術式があります。その中でも遊離歯肉移植術は比較的簡単な術式のひとつであり、時間も10分ほどで終わり、痛みや腫れもほとんどありません。しかしながら、きれいな歯肉を作るためにはコツがあります。うまくいかない場合には、傷口が縮んでゴツゴツした瘢痕(傷などが直った後に粘膜面に残る傷跡)が残ってしまうことがありますので、十分に注意をして適応症を選ぶことが重要となります。

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6、右下45に対しては、支台歯形成(クラウンを入れるために歯を削ること、海外ではpreparation-準備といわれ、クラウンを入れる準備をすることとされている)の後に、歯肉圧排(歯肉と歯の境目をだすために、その隙間に糸を入れて一時的に歯肉を広げること)をおこない印象採得(型を採ること)しました。

7は石膏模型です。このようにフィニッシュライン(支台歯の歯科医師が削った部分と削っていない部分の境界線、ここがクラウンと歯の境目・・・マージンとなる)の明瞭な模型を使ってセラミッククラウンが作製されます。

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8、右下45セラミックスを装着する前の写真です。セラミックスを歯肉から少しだけ浮かせて写真撮影をしています。これがエマージェンスプロファイル(歯肉を貫通するところの歯あるいはクラウンの形態)です。この部分がティッシュリテンション(クラウンが歯肉と接する部分において、歯肉の再生・成長を妨げることなく歯肉の形態を維持すること)の役割を果たして、後に歯肉のクリーピング(歯肉がクラウンに寄り添って這い上がるように移動する現象)が起こります。

 

この症例は自由診療によるものですが、当医院では保険診療もおこなっております、どうぞお気軽にお声掛けください。尚、全ての症例が同じような結果になるとは限りません。治療前の病状によって術後結果も変わりますので、何か気になる点がありましたらご相談ください。

 

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