症例50 前歯部根管治療とホワイトニング後の審美補綴治療

1、2

1、2018年1月19日の初診時の写真。北九州市小倉在住の50代男性です。患者様は近隣の歯科医院に右上12の根管治療(過去に神経を取った歯の根の再治療)に週に一度、1年以上通院されていましたが、膿が止まらないということで、当医院に来院されました。歯周病にも罹患しており、歯周外科手術(歯周病を改善するために、歯肉を開き、歯肉の中側の根面にこびりついた汚れをきれいに取る手術)が必要なほどでしたが、歯周治療はされていませんでした。右上2には仮歯が装着されていましたが、外側を向き、綺麗な状態ではありませんでした。

2、2018年11月5日、治療後20日の写真です。右上12の根管治療と歯周治療が終わり、右上12と左上2のセラミッククラウンの治療をおこないました。歯の軸や形態も整い、同時にホワイトニングもおこないましたので、透明感のある審美的な口腔が構築されました。

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3、右上12の側方観です。右上2の仮歯はマージン(クラウンと歯の境目)の適合が悪く、歯が黒ずんでいました。

4、治療後の側方観です。右上12はセラミッククラウン、右上3はコンポジットレジン(樹脂製の歯の修復用素材)により形態を整えました。

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5、左上2の側方観です。クラウンのマージン(クラウンと歯の境目)が露出して、ブラックマージン(クラウンと歯肉の間に黒い線が出てしまったり、歯肉が 黒っぽく変色すること)となっていました。

6、治療後の左上2です。セラミッククラウンにより補綴治療(ほてつちりょう・・・歯にクラウンやブリッジや義歯を入れる治療)をおこないました。左上3はコンポジットレジン(樹脂製の歯の修復用素材)により形態を整えました。

7、8、9

7、8、9、右上12、左上2の模型です。このようなフィニッシュライン(支台歯の歯科医師が削った部分と削っていない部分の境界線、ここがクラウンと歯の境目・・・マージンとなる)の明瞭な模型が審美歯科治療には不可欠です。なぜならマージン(クラウンと歯の境目)の不適合が歯肉の炎症やブラックマージンの原因となり、審美性を損なうからです。

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10、右上12の根の先端に大きなレントゲン透過像(レントゲン写真上で黒く見える部分のこと。のう胞(膿の袋)などが透過像として現れる)が認められます。この透過像は根尖病変(口の中から根管に細菌が入って増殖すると、感染が強い場合は比較的早期に腫れたり痛みが出たりします。 しかし、根の中の感染はからだに対して弱い慢性的な刺激となることが多いため、 からだは内部に細菌が入ってこないように堤防のような防御帯を作ります。 これが根の先にできる病気(根尖病変)としてエックス線で確認されます。 根の先の周りの骨が溶けるので、エックス線写真では黒く写ります。)といわれるものです。患者様が近隣の歯科医院に根管治療(過去に神経を取った歯の根の再治療)に週に一度、1年以上通院されていましたが、膿が止まらなかったのはこのためです。

11、的確な根管治療を施したために膿は止まりました。このレントゲンは、補綴治療(ほてつちりょう・・・歯にクラウンやブリッジや義歯を入れる治療)後のものです。右上12の根の先端に大きなレントゲン透過像はかなり縮小し、黒さも薄くなりました。非常に大きな根尖病変でしたので、レントゲンに写らなくなるには、もう少し時間が必要だと思われます。

12

12、2019年1月8日、治療後約3ヶ月の状態です。歯肉のクリーピング(歯肉がクラウンに寄り添って這い上がるように移動する現象)が起こり、クラウンと歯肉が自然に調和して、さらに美しくなりました。

この症例は自由診療によるものですが、当医院では保険診療もおこなっております、どうぞお気軽にお声掛けください。尚、全ての症例が同じような結果になるとは限りません。治療前の病状によって術後結果も変わりますので、何か気になる点がありましたらご相談ください。

 

 

 

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