1、2
1、現在全顎の治療をおこなっている67歳の患者様です。
2019年4月2日にご家族からの紹介で来院されました。2016年の夏頃、左下6を抜歯したのでインプラントの相談をしたいという主訴でした。同時に前歯の審美的治療を希望されましたので、全顎の治療をおこなっている最中です。写真は2019年6月12日のインプラント一次オペ(インプラントを植える手術、インプラントを植えたあとは、歯肉を元にもどして、インプラントが骨と接合するのを3~6ヶ月待つ)をおこなう直前の写真です。左下6が欠損しています。また、左下5金属のクラウンのマージン(クラウンと歯の境目)付近が虫歯になって黒く変色しています。左下7は充填物が外れています。左下4の歯頸部(しけいぶ・・・歯と歯ぐきのさかい目の部分のこと)にはコンポジットレジン(樹脂製の歯の修復用素材)が充填されていますが、劣化して変色しています。
2、2020年2月3日の写真です。
左下6はインプラントをおこないセラミッククラウンを被せました。歯肉弁根尖側移動術(しにくべんこんせんそくいどうじゅつ・・・歯周外科処置のうちの一つ。付着歯肉が狭い場合、または深い歯周ポケットがあり歯肉歯槽粘膜境を超えている場合に、付着歯肉を根の方向に移動することにより、付着歯肉の増加およびポケットの除去を目的としておこなわれる)をおこない付着歯肉(歯と歯槽骨に付着している部分の硬くて厚い歯茎のこと。頬や唇をひっぱっても動かない可動性のない部分。抵抗力がありブラッシングや細菌などの外部からの刺激に耐えられる。抵抗がなく、可動性がある薄く柔らかい部分の歯茎は歯槽粘膜という)を作りました。左下4567の歯肉はスキャロップ(貝殻のような形をした歯肉の高低差)形態を描き、自然観のある審美的で機能的な口腔が構築されました。ブラッシングも非常にしやすくなっています。左下5はブラックマージン(クラウンと歯肉の間に黒い線が出てしまったり、歯肉が 黒っぽく変色すること)が生じないように補綴治療(ほてつちりょう・・・歯にクラウンやブリッジや義歯を入れる治療)をおこないました。左下4、7はコンポジットレジンにより修復しました。
以下にオペ中の写真があります。閲覧される場合にはポップアップ表示をされてください。
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3、2019年6月12日に左下6にインプラント1次オペ(インプラントを植える手術、インプラントを植えたあとは、歯肉を元にもどして、インプラントが骨と接合するのを3~6ヶ月待つ)をおこないました。
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4、5、左下5の印象採得(型を採ること)の前に歯肉圧排(歯肉と歯の境目をだすために、その隙間に糸を入れて一時的に歯肉を広げること)をおこないました。
5、は左下5の模型です。フィニッシュライン(支台歯の歯科医師が削った部分と削っていない部分の境界線、ここがクラウンと歯の境目・・・マージンとなる)の明瞭な模型が確認できます。歯肉圧排や印象採得の詳細については、本ブログの症例8、9をご参照ください。
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6、7、治療前後の左下4567の噛み合わせの面です。
インプラントを用いれば、隣同士の歯を削ってつなぎ、ブリッジにする必要がありません。そのためメンテナンスもおこないやすく、この状態をできるだけ長期的に維持できれば歯が長持ちする可能性が格段に高まります。