1、2
1、40代女性。上顎前歯をきれいにしたいということを主訴に来院されました。
右上12、左上12にはレジンによるクラウンで補綴治療(ほてつちりょう・・・歯にクラウンやブリッジや義歯を入れる治療)が施されていました。右上12はブラックマージン(クラウンと歯肉の間に黒い線が出てしまったり、歯肉が黒っぽく変色すること)が生じていました。同時に、右上12間と11間にはブラックトライアングル(歯と歯の間のすきまと歯肉に囲まれた部分に出来る黒くみえる三角形の空隙)が生じており、審美性を損なっていました。
2、治療後の写真です。上顎2112をセラミッククラウンにより治療し直しました。
クラウンのやり直しだけの治療でしたが、ブラックマージンやブラックトライアングルもなくなり、口元が見違えるように明るくなりました。
3、4、5、6、7、8
3、4、5、6、7、8は、この症例の右上21、左上12の歯肉圧排(歯肉と歯の境目をだすために、その隙間に糸を入れて一時的に歯肉を広げること)と模型の写真です。
これらのように模型上に明瞭なフィニッシュライン(支台歯の歯科医師が削った部分と削っていない部分の境界線、ここがクラウンと歯の境目・・・マージンとなる)を再現するためには、本ブログの症例8、9で解説したように、歯肉圧排や印象採得(型を採ること)がとても重要になります。また、これらのような模型がなければ、この症例のような歯肉と調和した審美補綴治療をおこなうことは不可能です。