症例69 機能性と審美性を回復するための全顎治療

1、2、

インプラント 矯正 セラミックを用いた治療を行う前の写真
インプラント 矯正 セラミックを用いた治療を行った後の写真

1、2018年10月25日初診、40代女性です。

歯の悩みがあり、どこの歯科医院に行くか色々調べておられたそうですが、本ブログを熟読された結果、当医院を選んでいただきました。右下567が欠損しており、当初はインプラントをしたいという主訴でした。しかしながら、よくお話を伺うと、本当は下顎の歯並びと右下1が黒く変色していることも気になるし、昔他医院で治療した上顎②1①2③のブリッジ(一般に少数歯の欠損に対して用いる補綴物の一種である。主に両側の残存歯、場合によってはデンタルインプラントを支台歯として用い、これとポンティックを連結部で結ぶことによって作られる)が不自然なので再治療したいということも希望されました。

2、2021年4月28日、治療終了時の写真です。

全顎的な治療をおこないました。下顎の全顎矯正治療、左上7は部分的に矯正をおこないました。この部分はワイヤーで一時的に保定(元に戻らないように歯を固定すること)しているところです。右下4567はインプラント、上顎③②1①2③のセラミックブリッジ、右上56、右下1はセラミッククラウンにより再治療をおこないました。ブリッジには強度を増すために右上3も支台歯(しだいし)(歯のない部分にブリッジや入れ歯を入れる際、支えとなる歯のこと)に含めました。右上7と左下7は保険治療の銀歯で治療しました。歯肉の位置も整いました。機能的で自然観のある審美歯科治療が達成されたことで、患者様にとても喜んでいただきました。

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インプラント 矯正 セラミックを用いた治療を行う前の写真
インプラント 矯正 セラミックを用いた治療を行っている写真
インプラント 矯正 セラミックを用いた治療を行う前の写真

3、初診時の下顎をみてください。右下567は欠損しています。

下顎は叢生(そうせい・・・「乱杭歯、らんぐいば」と呼ばれ、歯が重なり合ってデコボコした状態の歯並びのこと)であり、左下5は内側に倒れこんでいました。右下1は失活歯(神経がない歯、あるいは神経が死んでいる歯)であったために黒く変色していました。患者様はこれらのことをとても気にされていました。

4、右下4は大きな根尖病変(口の中から根管に細菌が入って増殖すると、感染が強い場合は比較的早期に腫れたり痛みが出たりします。 しかし、根の中の感染はからだに対して弱い慢性的な刺激となることが多いため、 からだは内部に細菌が入ってこないように堤防のような防御帯を作ります。 これが根の先にできる病気(根尖病変)としてエックス線で確認されます。 根の先の周りの骨が溶けるので、エックス線写真では黒く写ります。)があり治療を試みましたが経過が思わしくなく抜歯しました。右下4567にインプラントをおこない、仮歯を入れて固定源(矯正力に対する抵抗源)として、マルチブラケット装置(歯の表面に歯科用接着剤で「ブラケット」という器具を貼りつけ、その溝にアーチワイヤーを通して3次元的に歯を移動させる装置。 ワイヤーと歯列を連結させて、歯並びを整えていく装置で、ワイヤーの力(弾力)を利用して歯を動かしていく)を用いて矯正をおこないました。

5、治療終了後です。

下顎前歯はきれいに揃い、左下5も歯列に入りました。下顎歯列は右下4567インプラントを含めてきれいなアーチを描いています。

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インプラント 矯正 セラミックを用いた治療を行っている写真
インプラント 矯正 セラミックを用いた治療を行っている途中の写真

6、2020年2月1日、矯正を始めた日です。

右上1と左上2の歯槽堤(歯が無くなって歯肉だけになった部分)は平坦な形をしており、この状態では人工歯は自然な形態にはなりません。また、食片もつまって不潔になります。

7、2020年7月22日、下顎の矯正がほぼ終わった頃です。

上顎③②1①2③のブリッジが自然に見えるように、右上1と左上2の歯槽堤にオベイトポンティック(ブリッジの欠損部分を補うための人工歯の基底面形態の一種であり、基底面が卵型(=ovate) を呈するものをさす。これをあらかじめ凹面に形成した顎堤粘膜に密着させることにより、 あたかも天然歯が萌出しているかのような歯頚部形態、および生理的に適度な圧迫による歯間乳頭・鼓形空隙の再生が得られる)の基底面を形成しました。

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8、9、治療前後の下顎の歯列です。

治療前はアーチが歪んでいることがわかります。治療後は右下4567のインプラントを含めて非常にきれいなアーチを描いています。左下5も外側に移動して歯列内に入りました。

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インプラント 矯正 セラミックを用いた治療を行う前の側方面
インプラント 矯正 セラミックを用いた治療を行った後の側方面

10、11、治療前後の右側側方観です。

治療後は良好な咬み合わせになりました。今までの人生で一番よく噛めるようになったと喜んでいただきました。右下4567はインプラントですが、歯肉は天然歯のようなスキャロップ(貝殻のような形をした歯肉の高低差)を呈するような方法を用いてインプラント2次手術(インプラントに土台を立てて粘膜から貫通させる手術)をおこなっています。

12、13、

インプラント 矯正 セラミックを用いた治療を行う前の側方面
インプラント 矯正 セラミックを用いた治療を行った後の側方面

12、13、治療前後の左側側方観です。

治療前は左下5は内側に倒れこんで咬み合っていませんでしたが、治療後はとてもよく咬んでいます。左上のワイヤーは保定(元に戻らないように歯を固定すること)のためのものですが、内側にもワイヤーで保定していますので、外側のワイヤーは近いうちにはずす予定にしています。

この症例は自由診療によるものですが、当医院では保険診療もおこなっております、どうぞお気軽にお声掛けください。尚、全ての症例が同じような結果になるとは限りません。治療前の病状によって術後結果も変わりますので、何か気になる点がありましたらご相談ください。

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