症例51 酸蝕歯(さんしょくし)の形態回復のための審美補綴治療

1、2、

酸蝕歯の写真。これからセラミック冠を用いて形態の回復を行う。
酸蝕歯(さんしょくし)に対してセラミック冠を用いて審美補綴治療を行なった。(正面観)

1、2019年2月20日の写真。

60歳女性です。患者様は胃酸の逆流によりエナメル質が侵蝕され、歯の形態が不整になり、審美性が損なわれていました。上顎11と右上2の形態と右上2の歯の軸をセラミッククラウンにより回復することを希望されました。このような場合にも、セラミッククラウンによる治療がおこなわれます。

2、2019年4月12日、セラミッククラウン装着直後の写真です。

歯の軸や形態も整い、ブラックマージン(クラウンと歯肉の間に黒い線が出てしまったり、歯肉が 黒っぽく変色すること)や、ブラックトライアングル(歯と歯の間のすきまと歯肉に囲まれた部分に出来る黒くみえる三角形の空隙)も生じず、透明感のある審美的な口腔が構築されました。

3、4、

酸蝕歯の写真。これからセラミック冠を用いて形態の回復を行う。(右側方観)
酸蝕歯(さんしょくし)に対してセラミック冠を用いて審美補綴治療を行なった。(右側方面観)

3、治療前の右上12、左上1の右側方観です。

右上12間にはブラックトライアングルが生じています。右上2の歯軸は内側に傾いています。患者様はこのことをとても気にされておりました。

4、治療後の右側方観です。

右上12、左上1はセラミッククラウンにより形態と歯軸を整えました。

5、6、

酸蝕歯の写真。これからセラミック冠を用いて形態の回復を行う。(左側方観)
酸蝕歯(さんしょくし)に対してセラミック冠を用いて審美補綴治療を行なった。(左側方面観)

5、治療前の左上1、右上12の左側方観です。

右上12間にはブラックトライアングルが生じています。

6、治療後の右側方観です。

ブラックトライアングルは左上2の形態修正とセラミッククラウンにより補正しました。

7、8、

酸蝕歯の写真。これからセラミック冠を用いて形態の回復を行う。(上顎正面観)
支台歯形成を行なった後の写真

7、8、治療前と支台歯形成(クラウンを入れるために歯を削ること、海外ではpreparation-準備といわれ、クラウンを入れる準備をすることとされている)を終えた後の写真です。

クラウンが支台歯から外れないよう、またクラウンの良好なフィットが得られるように、スムースな面で削っていきました。

9、10、

支台歯形成を行なった後に印象採得を行う為、歯肉圧排をした。
支台歯形成を行なった後に印象採得を行う為、歯肉圧排をした。

9、10、支台歯の精密な印象採得(型を採ること)のために、歯肉圧排(歯肉と歯の境目をだすために、その隙間に糸を入れて一時的に歯肉を広げること)をおこないました。

11、12、13、

シリコン印象材を用いて印象採得し、模型を作成
シリコン印象材を用いて印象採得し、模型を作成
シリコン印象材を用いて印象採得し、模型を作成

11、12、13、右上12、左上1の模型です。

このようなフィニッシュライン(支台歯の歯科医師が削った部分と削っていない部分の境界線、ここがクラウンと歯の境目・・・マージンとなる)の明瞭な模型が審美歯科治療には不可欠です。なぜならマージン(クラウンと歯の境目)の不適合がブラックマージンや歯肉の炎症の原因となり、審美性を損なうからです。治療後にクラウンのマージンの露出による不愉快なブラックマージンを回避するためには、いわゆる生物学的幅径(歯肉が歯周組織のひとつのパーツとして有する歯と付着する機能)に関する臨床的な知識だけでは対応できません。歯-歯肉境部に対する解剖学的、組織学的、病理学的な専門知識を臨床に応用することが不可欠となります。

14、

セラミック冠を模型に装着した写真

14、以上のように正確に支台歯の形態が再現された模型を使って、担当の歯科技工士がセラミッククラウンを作製しています。

この症例は自由診療によるものですが、当医院では保険診療もおこなっております、どうぞお気軽にお声掛けください。尚、全ての症例が同じような結果になるとは限りません。治療前の病状によって術後結果も変わりますので、何か気になる点がありましたらご相談ください。

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