1、2
1、初診時の写真。50代女性。北九州市戸畑区の歯科医師からの紹介で来院されました。
患者様は6年前に転倒して右上1を強打して内側に傾いたために、とある歯科医院にて元の位置に整復してもらいました。痛みはおさまらず、半年後に他医院を受診して根管治療(歯の神経の治療、過去に神経を取った歯の根の再治療)をしてもらいました。違和感と痛みは残りましたが、痛みは少しずつ薄れたようでした。しかしながら、6年後に右上1に突き上げるような痛みがして、鼻のそば、耳の周りの痛み、頭痛をおぼえました。歯科医師からの勧めで脳外科にてCT撮影をしましたが、異常は認められませんでした。そのような経過を経て当医院を受診されました。根管治療と咬合調整(こうごうちょうせい・・・上下顎歯牙の異常な接触関係を選択的に削合して、顎口腔系と調和のとれた咬合を得る歯科治療の方法)をおこなった結果、全ての症状はで完全に消失しました。
2、上顎11は初診時には神経がとってありましたので、変色していました。
歯の裏側はかなり削られていましたので、補綴治療(ほてつちりょう・・・歯にクラウンやブリッジや義歯を入れる治療)が必要な状況でした。このような場合にもセラミッククラウンは適応症となります。上顎11のセラミッククラウンは歯肉と調和して、歯の色や形態も周囲の天然歯と調和して審美補綴治療が達成されました。
3、
3、補綴治療において、高い審美性を得るためには、クラウンが周囲歯肉に自然に調和しなければなりません。
そのためには、クラウンの形態はもとより、歯肉縁下(歯肉の縁よりも下の部分)のクラウンマージン(クラウンと歯の境目)の適合精度が重要です。そのために印象採得(型を採ること)に先立ち、歯肉圧排(歯肉と歯の境目をだすために、その隙間に糸を入れて一時的に歯肉を広げること)がおこなわれます。歯肉圧排は非常にデリケートな治療であり、無理におこなうと歯肉退縮(歯茎が下がること、歯肉退縮したら、歯が長く見える)をおこし、クラウンマージンが露出して審美性を損なうので注意が必要です。
4、5
4、5、フィニッシュライン(支台歯の歯科医師が削った部分と削っていない部分の境界線、ここがクラウンと歯の境目・・・マージンとなる)の明瞭な模型ができました。
審美補綴治療のためにはこのような模型が必須です。その結果、2の写真のような高い審美性が得られるわけです。
この症例は自由診療によるものですが、当医院では保険診療もおこなっております、どうぞお気軽にお声掛けください。尚、全ての症例が同じような結果になるとは限りません。治療前の病状によって術後結果も変わりますので、何か気になる点がありましたらご相談ください。