1、2
2012年7月12日から当医院で管理中の患者様。現在は50代で女性の患者様です。
初診は近隣の歯科医からの紹介で、当初、右下567にインプラントをしました。1は2017年11月30日の左側臼歯部の治療前の写真です。左下④56⑦のブリッジのポンティック(ブリッジにおける欠損部を補うために支台装置(両脇の土台となっている歯)に連結される人工歯)部が削れて劣化しています。また、支台歯(しだいし)(歯のない部分にブリッジや入れ歯を入れる際、支えとなる歯のこと)である左下4には虫歯がありましたので、このブリッジを外し、インプラントとクラウンにより補綴治療(ほてつちりょう・・・歯にクラウンやブリッジや義歯を入れる治療)をおこなうこととしました。上下の咬み合わせも乱れており、左上56のクラウンも劣化していたので、上下同時に治療をやり直しました。
2は2018年8月1日の写真です。
左下56はインプラント、左上56、左下4はセラミッククラウン、左下7はゴールドのクラウンで補綴治療をおこないました。咬み合わせも整い、審美的な治療がおこなわれました。
以下にオペ中の写真があります。閲覧される場合にはポップアップ表示をされてください。
3、
3、2017年12月19日に左下56にインプラント1次オペ(インプラントを植える手術、インプラントを植えたあとは、歯肉を元にもどして、インプラントが骨と接合するのを3~6ヶ月待つ)をおこないました。
4、5
4、5、2018年4月17日、インプラント2次オペ(インプラントに土台を立てて粘膜から貫通させる手術)をおこないました。
インプラント周囲に付着歯肉(歯と歯槽骨に付着している部分の硬くて厚い歯茎のこと。頬や唇をひっぱっても動かない可動性のない部分。抵抗力がありブラッシングや細菌などの外部からの刺激に耐えられる。抵抗がなく、可動性がある薄く柔らかい部分の歯茎は歯槽粘膜という)を獲得するために遊離歯肉移植術(上顎から固い粘膜を採取して移植する手術)をおこないました。
6、7
6、左上56の印象採得(型を採ること)の前に歯肉圧排(歯肉と歯の境目をだすために、その隙間に糸を入れて一時的に歯肉を広げること)をおこないました。
7は左上6の模型です。
フィニッシュライン(支台歯の歯科医師が削った部分と削っていない部分の境界線、ここがクラウンと歯の境目・・・マージンとなる)の明瞭な模型が確認できます。歯肉圧排や印象採得の詳細については、本ブログの症例8、9をご参照ください。
8
8、模型上で作製されたセラミッククラウン、インプラント、ゴールドクラウンです。
このような工程を経て、高精度のクラウンが作製されます。
9、10
9、10、治療前後の左下4567です。
治療前の左下56には可動粘膜しかありませんが、治療後の左下56インプラントの周囲には付着歯肉ができました。同時に歯肉のスキャロップ(貝殻のような形をした歯肉の高低差)も形成され、ブラッシングもしやすくなっています。あとはメンテナンスをおこなうことにより、この状態をできるだけ長期的に維持することが重要となります。