症例62 歯周病に対してインプラントと磁石義歯を用いた全顎治療

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歯周病に対してインプラントと磁石義歯を用いた全顎治療を行う前の写真
歯周病に対してインプラントと磁石義歯を用いて全顎治療を行なった。術後。

1、2018年1月26日初診、60代女性。ご友人からの紹介で来院されました。歯が動いて噛めないので全体的に治療をしてほしいという主訴でした。

患者様は前医院にて20年ほど前に全顎的にセラミックを用いた治療をおこなわれました。当初は右上4567部には部分床義歯(歯が一部なくなった人に装着する取り外し式の義歯。クラスプ( バネ)と金属のフレームとレジン(樹脂)性の歯ぐきの部分と人工歯からなる)を入れていましたが、装着感や噛みごこちが悪くすぐに使わなくなったとのことでした。この20年間は前医院にメンテナンスのみ受診されていました。最近では上の前歯と左右の下の奥歯が動くため十分な食事ができなくなったために、インプラントを用いた治療を希望されましたが、前医院ではインプラントができないということで転院されてきました。初診時は全体的に多量のプラークが付着しており、歯肉は退縮してクラウンのマージン(クラウンと歯の境目)が露出していました。

2、2020年4月16日治療終了時の写真です。

上顎には右上3、左上123456に磁性アタッチメント(入れ歯を固定する小型磁石、小型で強力な吸引力を持つことで、ピッタリ吸着し、着脱簡単な義歯を製作できる維持固定装置)を用いた義歯を入れました。下顎は④③2①①2③のブリッジで補綴治療(ほてつちりょう・・・歯にクラウンやブリッジや義歯を入れる治療)をおこないました。右下567、左下4567はインプラントを使用しています。清潔感があり美しい口腔が構築されました。

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歯周病に対してインプラントと磁石義歯を用いた全顎治療を行う前のレントゲン写真

3、2018年1月26日初診時のレントゲンです。

全体的に歯周病が進行しています。特に右上12は歯周病が進行して歯を残すことが難しそうです。右下56と左下56は虫歯が進行してクラウンがはずれています。こういう場合にも歯を残すことはできません。抜歯してインプラントをおこないますが、虫歯の影響で歯槽骨がかなり吸収しており、このような場合にはインプラントと同時にGBR(骨誘導再生・・・手術で骨を作ること)が必要になります。

4、5、

歯周病に対してインプラントと磁石義歯を用いた全顎治療を行う前の写真
歯周病に対してインプラントと磁石義歯を用いた全顎治療を行った後の写真

4、治療前の開口時です。

治療前は下顎歯列の咬合平面(かみ合わせの面、入れ歯などが作られる際、正しい噛み合わせの基準として目安にされる、上下の歯が接する平面のこと)が左に下がっています。そのために各々の歯の軸も左に傾いています。臼歯の位置は左右で大幅に異なっており、全顎的な治療をおこなったにもかかわらず、歯並びが大きく歪んでいます。これでは咀嚼もままなりません。

5、治療前の開口時です。

下顎歯列の歯軸と咬合平面を整えてブリッジとインプラントによる補綴治療を完了しました。美しいバランスで咬合再構成(こうごうさいこうせい 、クラウン、ブリッジ、インプラント、義歯、矯正治療などを用いて、 現在の咬合を理想的な咬合に構成しなおす総合治療)がおこなわれました。きれいでよく噛めるように治療がなされました。

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歯周病に対してインプラントと磁石義歯を用いた全顎治療を行う前の側方
歯周病に対してインプラントと磁石義歯を用いた全顎治療を行った後の側方面
歯周病に対してインプラントと磁石義歯を用いた全顎治療を行う前の側方面
歯周病に対してインプラントと磁石義歯を用いた全顎治療を行った後の側方面

6、7、8、9、治療前後の側方観の比較です。

治療前は上の前歯が出っ歯でした。治療前は咬合平面(かみ合わせの面、入れ歯などが作られる際、正しい噛み合わせの基準として目安にされる、上下の歯が接する平面のこと)が凸凹で整っていません。治療後は咬合平面を整えました。このことは上の入れ歯の安定にとっても非常に重要な要素のひとつとなります。

この症例は自由診療によるものですが、当医院では保険診療もおこなっております、どうぞお気軽にお声掛けください。尚、全ての症例が同じような結果になるとは限りません。治療前の病状によって術後結果も変わりますので、何か気になる点がありましたらご相談ください。

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